植物と友達になろう! VOL.09 「フタバアオイ」
下向きに咲くとても地味な花、ウマノスズクサ科フタバアオイの花を見つけました。うっかり通り過ぎるほどですが、一度でも見ると忘れがたい花です。
葉の形はハート型で、「この紋所が目に入らぬか!」のフレーズで有名な徳川家の御紋のモデルです。
京都賀茂神社の葵祭で用いられることからカモアオイ(賀茂葵)の異名をもつそうです。
薄暗い広葉樹林の林床に生えています。
顎片は反り返ってしまうので、赤味を帯びた花は釣鐘みたいです。
ウマノスズクサ科カンアオイ属の仲間にウスバサイシンという仲間もこれからの時期に咲きます。薬草と知られています。
ヒメギフチョウの食草として知られています。
葉っぱの裏に産み付けられた「ヒメギフチョウの卵」わかりますか?
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植物と友達になろう! VOL.08 「ウルップソウ」
ウルップソウはオオバコ科ウルップソウ属です。花は他の高山植物に比べて早いので、夏山シーズン最盛期では花期を逃してしまうことが多いです。
残雪がまだ多い時期、梅雨の影響を受ける時期でもあるので、しっかりと準備をして見に行きましょう。もちろん、カメラの防水対策、濡れ対策も。
白馬鑓ヶ岳稜線のお花畑 レギュラー色の紫とシロバナが混ざって生えていました。
6月26日に化雲岳の湿原木道ではホソバウルップソウが花を咲かせ始めていました。本州北アルプス白馬岳のウルップそうに比べると確かに葉が細く、花苞の先端部分が細めに尖がっているようです。
エゾノハクサンイチゲと仲良く生えていました。
大雪山は緯度も高くなだらかな稜線が続くせいか、高山植物同士の棲み分けが明瞭でない感じがします。ミヤマキンバイと仲良しの株もありました。
夏山シーズンの始め、残雪が消えて間もなくの稜線で見ることができるのが「ウルップソウ」です。特徴のある花で覚えやすいもののひとつですが、実際には花期が短く、きれいな花には中々出会えない花でもあります。
三国境付近
大ぶりの葉っぱは肉厚で高山植物らしくありません。紫の小花の集合で穂状で下から先端に向けて咲いていきます。白馬連峰の砂礫地や八ヶ岳硫黄岳の稜線に自生します。
マルハナバチも頑張ります。
ウルップ島に自生していることからついた名前で、氷河期に南下し取り残された植物です。白花のものもあります。シロバナウルップソウと言います。
白馬大池から白馬岳、白馬鑓ケ岳への縦走は人気コースです。白馬大池山荘、白馬山荘、白馬鑓温泉小屋と小屋も整備されていますので、この夏の計画に加えてみてはいかがでしょうか。
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ウルップソウの自生地である八ヶ岳硫黄岳に行ってみましょう。梅雨時で雨に当たるかもしれませんが、自然相手の山歩きならではの思い出になることでしょう。
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植物と友達になろう! VOL.07 「シナノキンバイ・ミヤマキンポウゲ・ミヤマキンバイ・ミヤマダイコンソウ」
各地で花が咲き出してきました。里山から高山までキンポウゲ科の植物はとても多く、白や黄色の花が目立つので、皆さんも目にしていることが多いはずです。
下の写真は「朝日岳から見る剣岳と北方稜線の山々」
夏のアルプスに競うように咲く高山植物の中で黄色い花を咲かせる「シナノキンバイ」は大きく見栄えがするので知っている方も多いかと思います。
下の写真はシナノキンバイ
シナノキンバイの花は大振りで見栄え抜群です。ミヤマキンポウゲは小ぶりの花でひょろっと背が高いです。どちらもキンポウゲ科で、葉は掌状で深く切れ込んでいます。トリカブトやニリンソウもキンポウゲ科の植物で、葉っぱは似た形状ですね。
下の写真はミヤマキンポウゲ
さて、紛らわしいのがミヤマキンバイですね。名に「キンバイ」と名付くのシナノキンバイがキンポウゲ科ですが、ミヤマキンバイはバラ科で葉はイチゴのように三つに分かれています。
下の写真はミヤマキンバイ
もう一つ黄色い花の代表格はミヤマダイコンソウでしょうか。こちらは葉の形状が丸実を帯びたギザギザのフキの葉のようです。こちらもバラ科となります。
下の写真はミヤマダイコンソウ
夏山登山中、似たようなロケーションで出会うこの四種類をズバッと言えれば、山歩きが楽しくなること間違いなしです。
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植物と友達になろう! VOL.06 「イカリソウ」
花の形が船のアンカー、錨の形に似ているところから名づけられたらしいです。軸の出る側が逆だとまさに船の錨のようです。
イカリソウは「淫羊かく」という漢方の精力剤にもなるフラボノイド多糖体を含むのだそうです。成分はイカリンというフラボノイド配糖体です。ポリフェノールの仲間で様々な食品に含まれていますね。
興味がある方は野山で採らないで漢方薬店へ。
葉の周りに毛が目立つ葉は卵型で3枚の葉が1~3回付く複葉です。
メギ科イカリソウ属の多年草で白い花からピンク色まで早春の野山で見ることができます。
冬にも落葉しない常緑のトキワ(常盤)イカリソウもあります。先日出かけた余呉の横山岳でも雪解の中から赤茶に色変わりした特徴ある葉を見せていました。
野山で良く目に付きます。繁殖力も強く、交雑し易いのか様々な色味のイカリソウが混ざる多いので、見つけてください。
加藤校長と歩く!六甲山ミステリールート シーズン8「六甲山を深く知る・見る・感じる」の日程は下記の通りです。
9/21(金)、10/24(水)となっています。
ツアー告知です。:少人数で開催します。お早めに。
☆ 6/1-3(金・土・日)加藤校長と歩く!大熊山【富山県】と黒部峡谷トロッコの絶景
岩と雪の殿堂「剣岳」の大展望が開け、頂上付近の池塘は美しく、遠く白馬連峰から剣北方稜線を一望できるロケーションです。
☆ 6/14-16(木・金・土)加藤校長と歩く!八ヶ岳【長野県】硫黄岳と横岳に咲く孤高のツクモグサとウルップソウ~対照的な硫黄岳と横岳稜線、厳しい冬風を耐えたこの時期にしか出会えない高山植物に会いに行きます。
ツアー告知です。:7月企画はこちらです。
★ 7/16-19 南アルプス白根三山縦走はこちら。明日から申し込み開始です。
蓮華温泉集合、花園を登って花三昧。評判の朝日岳2泊なので、撮影目的の方も大満足!朝夕の斜光線が北アルプスを輝かせます。明日から申し込み開始です。
★ 8/5-7 北アルプス 別山尾根から剣岳登頂と花の奥大日岳はこちら。
植物と友達になろう! VOL.05 「クロモジ」
透きとおるような黄色の小花が集まったブーケが可愛いクロモジが咲きだしていますね。
枝を高級楊枝の材料として使われるクロモジは野山でよく見られる落葉低木です。今日の六甲山横池付近に見事な花を咲かせる株がありました。
小さな花ですが、これだけ集まると見栄えします。クロモジはクスノキ科なので素敵な香りを持っています。
山のハーブとしてタムシバと共に知られています。枝葉を蒸留することでとれる黒文字油は香料として使われます。
黒文字の名は若枝の表面にでる斑紋を文字に見立てつけられました。
冬芽が膨らみだしたばかりの地域もあるかと思います。日に日に活力を増す野山を歩いてみませんか。
加藤校長と歩く!六甲山ミステリールート シーズン8「六甲山を深く知る・見る・感じる」の日程は下記の通りです。
9/21(金)、10/24(水)となっています。
樹木の名前を覚えるのはなかなか大変ですが、香りを通じて覚えてみてください。爪で樹皮を擦るとさわやかな香りが周囲に広がります。香りの記憶は記憶に残りやすいですね。
個人的に最も好きな香りで、クロモジ精油やクロモジ茶がお気に入りです。
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★ 7/16-19 南アルプス白根三山縦走はこちら。明日から申し込み開始です。
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★ 8/5-7 北アルプス 別山尾根から剣岳登頂と花の奥大日岳はこちら。
植物と友達になろう! VOL.04 「イワウチワ」
ピンクの可憐な花が咲き乱れる姿は今ですよ!
雪解けが進んだ落葉広葉樹の根元には群生する艶やかなハート型の葉を広げるイワウチワ。花が咲く前だとイワカガミの葉に似ています。イワカガミの方が鋸形状が鋭く光沢が強いです。
落葉広葉樹の新芽がほのかに赤らみ膨らむ季節を明るく飾る花色は薄いピンクから濃いピンクまですっきりとした色合いです。
花弁のフリルが素敵だと思いませんか?
イワウメ科イワウチワ属の多年草。
花弁は筒状で5つに裂け、雄しべは5本です。
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植物と友達になろう! VOL.03 「セツブンソウ」
低山ではいささか旬が過ぎましたが、日本の山野草はその地域、積雪量、標高、斜面の向きで開花時期に差があります。
まだ見ることができる地域があれば教えてください召せ!
お久しぶりに ⇒ 加藤ガイドのHP更新しました。
春分の日は2017年が3月20日、2018年が3月21日でした。
昼と夜の長さがほぼ等しい(昼のほうが14分ほど長いそうです)日ということで、これから日に日に春が近づくということですね。伊吹山の麓にセツブンソウの里があるということで出かけてみました。
節分とは「季節を分ける」ということで、今年2018年、平成30年の節分は2月3日でした。
キンポウゲ科の特徴である掌状に細かく分かれた葉で、総苞葉と言うようです。白い萼片は5枚が通常らしいですが、7~8枚の花もありました。
横からの姿だと確かに萼片ですね。緑色ならすぐに萼片だとわかるのに! では、もともとの花弁はどこに行ったのでしょうか。
黄色くマッチ棒の頭のように見える「先端が4つ(2つが大きいです)に分かれた筒状」が花弁のようです。蜜腺に変化したのだそうです。8っありますね。
早春のまだ昆虫が少ない時期、白地に黄色でアピールし、筒の奥の蜜を取ろうと頭を突っ込むと花粉が付着するのでしょうか。想像ですが。
雄蕊は濃い紫色の二つの花粉嚢を持ち、外周から内側に向かって成熟しているようです。中心付近にある赤紫の雌蕊は星型に見える袋果です。成熟と時間差をつけることで、自家受粉を避けているのかもしれません。想像です。
雌蕊には花粉が付くと子房が膨らみ、雄蕊は脱落しています。
セツブンソウは日本原産で、石灰岩地帯に好んで自生します。地元の方に聞くと種から花を咲かせるのまでには4年ほどの歳月がかかるということです。
キンポウゲ科ということで動物にとって美味しくないか毒となる成分がありそうですが、最近はニホンジカも被害が多くなったということです。余程、食料難なのでしょうか。
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☆ 6/1-3(金・土・日)加藤校長と歩く!大熊山【富山県】と黒部峡谷トロッコの絶景
岩と雪の殿堂「剣岳」の大展望が開け、頂上付近の池塘は美しく、遠く白馬連峰から剣北方稜線を一望できるロケーションです。
☆ 6/14-16(木・金・土)加藤校長と歩く!八ヶ岳【長野県】硫黄岳と横岳に咲く孤高のツクモグサとウルップソウ~対照的な硫黄岳と横岳稜線、厳しい冬風を耐えたこの時期にしか出会えない高山植物に会いに行きます。
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